《連載コラム》ロウソクとCDで美しい実験

こんにちは!サイエンスコミュニケータのくもMです。

奈良県を中心に身近な科学を通じて、学びを遊びに変えていくためサイエンスショーや実験教室を開催しています。

今回は簡単にお家でもできる『美しい実験』をご紹介していこうと思います。

実は私たちが普段目にする白い光にはたくさんの色が混ざっています。

ロウソクとCDを組み合わせることで、そのことを確かめることができるんです。

お家でも簡単にできるとっても綺麗な実験ですので、ぜひやってみてください。

※火を使う実験なので、お子様は必ず保護者の方と挑戦してください。

準備するもの

準備するものは以下の通りです。

・ろうそく(3号以上の大きなロウソク)
・ロウソク立て
・CD
・火をつけるもの

たったこれだけで美しい実験ができます。

ロウソクは大きいものを使用した方が良いです。3号の大きさがあればOK。

実験

それでは、実験していきます。

ロウソクをロウソク台に立て、部屋の電気を消して火をつけていきましょう。

あとは、ここにCDをかざすだけです。

すると

このようにとても綺麗な色のグラデーションができます。

とても綺麗ですよね。

距離を変えれば

近づけたり、遠ざけたりすることで色が変わります。

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どうして色がみえるの?

色は光であり、光の波長によって色は決まります。

白い光はいろいろな色が混ざっているから白くみえるのですが、光の波長が短い、つまり細かい波ほど紫に見えて、波長が長い波ほど赤く見えるのです。

私たちが見ることのできる範囲の光の波長は約380~780 nmのものまでと言われており、この範囲の光を『可視光』と呼びます。

そして、紫よりも短い波長は目に見えませんので、紫外線と言います。反対に赤よりも長い波長は赤外線と言うのです。

どちらもきっと聞いたことがあるはずです。

もちろん、見える波長の範囲は人によって個人差があるので、人よりも短い波長の光を見れる人や長い波長の光を見れる人もいます。

ここでもう一度さっきのCDの写真を見てみましょう。

光が分けられて様々な色、虹が見えています!とても綺麗ですよね。

ではなぜ、このような綺麗な虹ができるのでしょうか。

どうして虹ができるのか?

白い光にはいろいろな色が混ざっていると言いました。

CDの表面にはピットと呼ばれるとても細かく小さなくぼみが規則正しくたくさん並んでいます。

このピットを読み込むことでCDを再生することができるのですが、ここに光が当たると、下図のように色が分かれてしまします。

このような光をわけるものを『回折格子』と呼んでいます。

色によって分かれる角度は異なり、分かれた色同士が強め合ったり弱め合ったりすることで様々な色が見えるのです。

また、CDを遠ざけたり、見る角度や位置によって色が変わって見えましたよね。これは、目にやってくる光が反射する角度が変わるからです。

いろいろな角度や位置で試してみましょう。どんな色がみえるかな?

構造色

このように美しい光を見れる構造は人が作り出したCDのようなもの以外にもたくさんあります。

タマムシを見たことがあるでしょうか?

とても美しい色をしていると思いますが、あれも色素ではなく構造色によるものなのです。

その美しさから国宝にも指定されている飛鳥時代の仏教工芸品である「玉虫厨子」の装飾に用いられていたといわれています。

また、蝶や鳥の羽など生き物たちはこの構造色で美しい色を出しているものが多くいるのです。

現在、塗料や化粧品などにもこの構造色を応用しようという研究もされており、見る角度によって色が変わる車とかが生まれるかもしれません。

本当に楽しみですよね。

周りにいる生き物たちの色が色素によるものなのか?それとも構造色によるものなのか?ぜひ調べてみてください。

 

 

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