下の子の妊娠・出産…入院中上の子はどうすればいい?

2人目・3人目の妊娠。待ち望んでいた夫婦にとってはもちろん、思いがけない妊娠であったとしても、喜ばしく幸せな贈りものであることでしょう。しかし2人目以降の出産では初産とは異なり、かならず向き合わなくてはならないひとつの課題があります。

それは「上の子をどうするか」ということ。

産院にもよりますが、自然分娩による出産にかかる入院期間は最低でも4日〜5日ほど。また、妊娠中に切迫流産等の危険性があれば、長期的な管理入院を言い渡される可能性もあります。

ママが上の子のお世話をできないときに、上の子の育児を誰がどのように行うのか……。それは、2人目以降の妊娠がわかった時点で、まずはじめに考えなくてはならない重要な課題なのです。

今回は、筆者の体験談も交えつつ、2人目出産を乗り越えるためのポイントを紹介していきます。

ママだけでは乗り切れない?!2人目の妊娠生活

初産のときはママも体ひとつの身。肉体的・精神的にもある程度の自由があるため、おなかの子を優先して日々の生活を組み立てることができます。

しかしながら2人目以降の妊娠生活においては、どうしても上の子のお世話があるために、ママも無理をしてしまいがち。つわりが重くなったり、上の子の抱っこなどでお腹が張りやすくなってしまったり、ときには「子宮頸管が短くなっているから安静にするように」と医師から指示を受けてしまったり……。

周囲のサポートが得づらい環境では、妊娠中のトラブルが起こりやすくなってしまう場合があります。

2人目以降の妊娠中に起こりやすいトラブルとは

上の子の年齢などによっても異なりますが、2人目以降の妊娠生活で起こりやすいトラブルには、次のようなものがあります。

◆抱っこ等によるお腹の張り・腰痛
◆上の子の食事介助やオムツ替え等によるつわりの悪化
◆上の子の赤ちゃん返り
◆ママの精神的な不安やストレスの増加

仕事に育児に家事に……と無理を続けていると、ときには切迫早産など妊娠生活そのものが危うくなってしまう可能性もあります。

「2人目以降の妊娠・出産はママだけでは乗り切れないもの」と割り切って、積極的に家族や行政のサポートなどを仰ぐように心がけましょう。

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【上の子の対応候補1】ママの実家に預ける

妊娠中に困ったとき、また出産の入院時に上の子のお世話をお願いする先として、まずママの実家の両親が挙げられるでしょう。

比較的近くに実家があり、育児に対して協力的であれば、ママがもっとも安心して上の子を任せられる強力なサポーターになってくれるはずです。

妊娠中に困った際や、入院時にママの実家に上の子を預けるメリットには次のようなものがあります。

【ママの実家に上の子を任せるメリット】
◆ママとの報・連・相がスムーズ
◆信頼して子どもを任せることができる
◆子どもの育児についての情報をある程度理解している
◆金銭的な負担が少なくて済む

妊娠中のトラブルや陣痛はいつ起こるかわかりません。また、万一の場合には、ゆっくりと引き継ぎ事項を説明している暇もありません。日頃からコミュニケーションを取っているママ自身の実家であれば、比較的安心して上の子を預かってもらい、ママは療養や出産に専念できるでしょう。

いっぽう、次のようなデメリットもあります。

◆実家が遠い場合にはお願いできない
◆パパとのコミュニケーションが難しい
◆自治体が異なる場合には保育園への託児ができない
◆親しいからこそママのストレスになる場合も……

パパを通じてではなく、ママと直接のやりとりが増えることで、ママがしっかり休めないこともあるでしょう。また、育児に対して助言や指摘をしてくる場合には、ストレスを感じるママも少なくありません。

また、実家の祖父母が就労している場合には、日中の預け先がなくなってしまいます。仕事を休んでもらったり、自宅に来てもらったりと、対応に工夫が必要になるケースもあるでしょう。

【上の子の対応候補2】パパの実家に預ける

ママの実家が遠く、パパの実家のほうが近いという場合には、パパの実家に上の子を預けるのもひとつの方法でしょう。

【パパの実家に上の子を任せるメリット】
◆ママの不在時にパパとの報・連・相がスムーズ
◆実家で対応に困ったときには、パパとの連携が取りやすい
◆パパと実家との連絡になることが多いことからママが体を休めやすい
◆金銭的な負担が少なくて済む

上の子を預かってもらうのは、ママが妊娠中に安静を言い渡された場合や出産の入院時。ママの不在時にパパが直接連絡を取りやすいという点は大きなメリットになるでしょう。

いっぽうで、次のようなデメリットも考えられます。

◆実家が遠い場合にはお願いできない
◆ママに情報が伝わらずに不安に感じることがある
◆自治体が異なる場合には保育園への託児ができない
◆義実家に子どもを預けるということ自体に不安やストレスを感じることも……

ママにとって、パパの実家の生活環境は、日頃から密に接していないとわかりづらいもの。

これまでにあまり接点を持ってこなかった義実家に上の子を預ける場合には、不安を感じることもあるでしょう。

また、実の両親でないために、上の子を預けることに対して気を遣ってしまうというママや、入院中などに義両親と上の子のことでやりとりすることがストレスになっていまうというママも多くいます。

パパとの連携をしっかりとった上で、不安やストレスなく上の子を任せられるよう、工夫する必要があるでしょう。

【上の子の対応候補3】認可保育園+パパに頼る

「パパ以外に頼れる人がいない!」という場合には、日中認可保育園等を利用し、パパの帰宅後は自宅での育児をお願いするという方法も考えられます。

子ども・子育て支援新制度の開始に伴い、現在認可保育園等に子どもを預けるには「保育の必要性の認定(支給認定)」が必要となりました。この認定を受けるための条件(保育に欠ける事由)には、保護者の就労だけでなく、子どもの母親が妊娠中であるか、または出産後間がないことも含まれています。
(※おおむね産前6週、産後8週を条件にする場合が多いですが、国が定める基準に基づき市町村が基準を定めるため、条件が異なる場合があります)

下記の条件を満たしていれば、日中は保育園に上の子を預け、パパが働きに出ることができるでしょう。
◆必要な手続きを取り、保育の必要性の認定を受けていること
◆保育園の定員のに空きがあること

日中は資格を持った保育士さんに子どもを見てもらえること、また夜間は自宅という安心できる環境でパパが育児を担当してくれることから、ママにとって安心感のある選択ではありますが、場合によっては保育を必要とする時期に希望する園が定員となってしまうケースや、パパの勤務時間と保育が可能な時間が合わず、保育園に預けることが難しいケースもあります。

自治体の保育課などに相談のうえ早めに適切な預け先を検討しておくことが必要なだけでなく、場合によって保育園のお迎えからパパの帰宅までは祖父母にお世話をお願いするなど、臨機応変な対応方法を検討することが大切です。

【上の子の対応候補4】認可外保育施設やファミリーサポート等を利用する

認可保育園に空きがない場合や、保育園の預かり時間よりもパパが長く働いていて、お迎え時間に間に合わないという場合には、認可外保育施設や、自治体のファミリーサポートの制度を利用するという方法もあります。

【認可外保育施設とは】
児童福祉法における保育施設に該当しながらも、自治体の認可を受けていない保育施設のこと。会社のオフィス内での預かりや夜間保育など、独自の保育サービスを展開しているところが多くあります。ベビーシッターなどの居宅訪問型保育事業もこれに該当します。

【ファミリーサポートとは】
地域において育児や介護について助け合う会員組織です。 育児などの援助を受けたい人と、援助を行いたい人とが会員となり、ファミリーサポートセンターが会員同士を依頼条件に基づき両者のマッチングを行います。依頼を行ったり援助を行うには自治体への登録が必要となります。

これらのサービスは、たとえば認可外保育施設に日中上の子を預け、ファミリーサポートにお迎えとパパの帰宅までのお世話をお願いする、休日出勤の日のみ一時的な保育を依頼するなど、パパの仕事の都合にあわせて柔軟に利用できますが、いっぽうで次のようなデメリットもあります。

◆利用料金が高額になることがある
◆かならずしも保育士の資格を保有したものがお世話をするわけではない
◆ファミリーサポートの場合、提供会員の自宅等で保育を行うため、パパの送迎の負担が重くなることがある
◆保育時間が長くなることや日々異なる環境で保育されることで、子どもが不安を感じる可能性がある

場合によっては、パパが早退や欠勤する際の収入減よりも、保育施設・サービスの利用料の負担増のほうが大きくなってしまうこともあるので、パパの職場と話し合い、できるだけ金銭面の負担やパパの心身の負担が少ない方法を検討する必要があるでしょう。

【上の子の対応候補5】子ども同伴での入院が可能な産院を探す

事情があり、家族にも保育園等の施設にも上の子をお願いすることができないというケースには、子ども同伴での出産・入院(子連れ出産・入院)が可能な医療機関を探すという方法も考えられるでしょう。

医療機関によっては、保育士が常駐し、ママの分娩の間や安静が必要な際にお世話をお願いできる場合や、上の子の食事サービスがある場合もあります。

入院にかかる費用が高くなる、産後のつらい時期に上の子の面倒を見なくてはならないなどのデメリットもありますが、本当に頼る先がないときには、非常に助かるサービスでもあります。

離婚やパパの単身赴任、両親の不在などで誰も頼れず、保育施設の利用も難しいという場合には、検討してみるとよいでしょう。

ただし、子連れ入院の場合には個室への入院が基本となるため、早めに入院の手続きを行う必要があります。妊娠後期になってから転院を検討しても、すでに空きがない……という可能性もあるため、なるべく早めに転院をし、子連れ入院ができるように必要な準備を整えておきましょう。

【体験談】計画出産+実家の支援+パパの努力で出産を乗り切る

ここまで、「2人目の妊娠・出産に際して上の子をどうするか」ということについて、お伝えしてきましたが、最後に筆者の体験談を紹介します。

筆者の場合、2人目の誕生時に上の子は1歳3ヶ月。年子での出産です。育休取得後に職場へも復帰し、認可保育園は利用していましたが、出産時には短時間保育への切り替えが必要なうえ、主人は販売職で夜間や土日も出勤……。とてもパパだけに上の子を任せられる状況ではありませんでした。

実家は遠方ではありませんでしたが、父はおらず、母はフルタイムでの就労中だったため、気軽にお世話をお願いすることもできません。

そこで利用したのが「計画分娩」です。

計画分娩とは、あらかじめ決めておいた日程で産院へ入院し、陣痛促進剤等を使って計画的に出産を行うこと。筆者の場合には、入院日を土・日前の金曜日に設定しておき、上の子の保育園のお迎え〜日曜日の夜までをおばあちゃんが、日曜の夜から火曜までを主人が担当することにしました。水曜の退院予定日には、主人に上の子を保育園に送り届けてもらい、おばあちゃんには有給を取ってもらって、退院を手伝ってもらうことに。

分娩の経過が計画通りに行かなかった場合には入院期間の延長も考えられましたが、結果、ほぼ計画どおりに出産することができ、経過も順調だったため、予定どおり退院。退院後におばあちゃんに上の子のお迎えに行ってもらいました。

可能な限り、家族の仕事に支障を与えず、かつ上の子の精神的負担を減らすためには、考えられるなかでベストな選択ができたと思っています。

妊娠の経過等によっては計画分娩ができないこともありますが、2人目以降の出産の場合には、計画分娩もひとつの手段として検討してもよいかもしれません。

筆者より

上の子の育児をしながらの妊娠・出産は、思うようにいかないことも多いもの。上の子とお腹の子、どちらも大切だからこそ心配事や不安も大きく膨らんでしまいがちです。

しかし、ママが不安な気持ちでいるとその心情が子どもたちにも伝わってしまいます。だからこそ、安心して妊娠生活や出産と向き合える環境を整えることが不可欠なのです。

上の子も下の子も大切。だからこそいざというときに上の子をどうするのか、ママが安心し、納得できる方法をしっかり検討しておきましょう。

読者の皆さまの妊娠生活・ご出産が、幸せであたたかなものでありますように……。

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