母乳が出ないのは母親失格…?悩んでいるママのために原因を解説

出産直後になかなか母乳が出なくて不安に感じるママも多いのではないでしょうか。特に、初めての出産のときにおっぱいが出ないと、どうしてだか分からず心配ですよね。
「赤ちゃんにおっぱいをあげられないなんて、母親失格だ…」

そんなふうに悩まないでください!
母乳が出ないことには原因がいくつかあります。正しい対処をしていけば、やがて充分な量の母乳がでるようになるかもしれませんよ。

母乳がなかなか出ない原因とは?

出産したらおっぱいが出るのが普通、ミルクで育てるのはよくない、赤ちゃんがかわいそう。
こんなふうに考えるママは多いものです。あるいは、おばあちゃん、ひいおばあちゃんが
「おっぱいをあげないとだめよ!」
とプレッシャーをかけてしまうこともあるようですね。

ですが、出産してすぐに十分な量の母乳が出るお母さんはまれです。多くは授乳を繰り返すうちに徐々に量が増えていくもの。出産直後に母乳の量が少ないからといって、それほど心配することはありません。

ただ、生後2ヶ月くらいになってもなかなか母乳の量が増えない場合に、考えられる原因を挙げて行きましょう。

赤ちゃんが上手におっぱいを飲めない

赤ちゃんがお母さんの乳頭を吸う体勢のことを、吸着と言います。吸着が上手くいっていない赤ちゃんの場合、おっぱいが十分に飲めていないかもしれません。

赤ちゃんも最初からおっぱいが上手に飲めるわけではないので、まずはお母さんがサポートしてあげましょう。抱っこするときに首と頭を二の腕を使ってしっかり固定し、楽に吸着できるようにします。

乳汁産生抑制因子が働いている

お母さんの体から母乳が作られにくくしてしまう因子があります。これを乳汁産生抑制因子と言います。

授乳の回数が少なかったり、赤ちゃんがしっかり飲んでくれなかったりすると、乳房の中に母乳が残ってしまうのです。すると、乳腺が母乳があまっていることを感知し、作るのをやめてしまいます。そのため母乳が出にくくなるのです。
この状態だと、赤ちゃんも十分な量を飲めなくなり、次第におっぱいを吸うのを嫌がってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

こんな時は病院に相談を!

上に挙げたケースでは、赤ちゃんの姿勢を保持する、お母さんが授乳に慣れていく、授乳の回数や時間を増やしてみるといった方法で対処が出来ます。
ですが、中には病気や体質による原因が隠れている場合もあるのです。

次のようなことが当てはまる場合は、出産した病院やかかりつけのクリニックに相談してみてください。

慢性的な貧血、あるいは出産時の出血過多

母乳とは、オキシトシンとプロラクチンというホルモンによって血液を素材に作り出されるものです。
つまり、お母さんの体の血液量が少なければ母乳の量も減ってしまうことになります。

慢性的な貧血症状がみられる人、出産のときの出血が多かった人などに当てはまります。この場合、鉄剤の処方や食事の改善などの対応が必要になるので、医師へ相談するのがいいでしょう。

バセドー病などの既往

オキシトシンやプロラクチンが上手く分泌されなくなると、母乳を作ったり乳腺から送り出したりする力が弱まり授乳が困難になります。
バセドー病は甲状腺ホルモンの異常によって、女性に起こりやすい疾患です。

甲状腺ホルモンが正常に分泌されない状態では、ホルモン分泌をつかさどっている視床下部に負担がかかりそのほかのホルモンの量にも影響します。
この場合
・体重が急に減る
・体温が高くなって風邪のような症状になる
・疲れやすい

などの症状も出てきます。気になることがあれば、甲状腺値を検査することをおすすめします。

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体質や個人差も考慮してみましょう

母乳が一切出ないという人はごくまれですが、それでも人によって出る量には個人差があります。そしてそれはお母さんのもともとの体質によるものであることもあります。

いくら頑張っても充分な量が出ない、という方は、どうか自分のことを責めたり、母親失格と思わないでください。

赤ちゃんにとって一番重要なのは、どれだけおっぱいをもらうかよりも
どれだけお母さんに大切に想ってもらったかです。

世界には病気や障害など様々な状況下にあってどうしても授乳が出来ないお母さんがたくさんいます。
ですが、大切にだっこしてもらったり、寒い時に温めてもらう、暑いとき涼しくしてくれるなど
自分が快適な状況を作ってもらえる体験が出来れば、大丈夫なんです。

母乳で育てなくてはちゃんと育たない、赤ちゃんがかわいそう、という声はノイズのようなものです。
もちろん、充分に母乳が出る人はその人の個性。

だから、仮に母乳が出なかったとしても、それは個人の特質です。自分のやり方で赤ちゃんに接する方法を考える方が、辛くないですしストレスにもなりません。

信頼関係が育ては子どもは安定します

私には子どもが2人いますが、1人目の時も2人目の時も母乳はあまり出ませんでした。

特に2人目は、やがて母乳が出ないことを覚えたのかおっぱいをいやがるようになり、授乳そのものを断念せざるを得なかったのです。

当時はそのことにかなり苦しみました。赤ちゃんに拒否されたという気持ちと、母乳がほとんど出ないなんて女性としてあんまりじゃないかという思いでいっぱいになってしまいました。

ですが、ひとつだけ言いたいことがあります。
2人の子どもはどちらも私にとても優しくしてくれます。まだ小さいのですが、ちいさいなりに必死で優しく接してくれます。至らない母親ではありますが、そんな姿にはいつも癒されます。

赤ちゃんは授乳してくれるからお母さんを好きになる、とは言い切れないのではないでしょうか。

話しかけたり、たくさんだっこをしたり一緒に寝たりすること。そんな経験も同じくらい大切だと思います。

母乳が出ないことがあまりにもストレスになるなら、少し休んでみませんか。
お母さん本人が安心して毎日を過ごす方が、赤ちゃんにとってはよいことなのですから。

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