《絵本の魅力》絵本の時間で大切な【KSB】とは!?

 

絵本を読んでいる時間は楽しいはずなのに、何を読もうか絵本選びで悩んでしまいイライラしてしまう方がたくさんいると思います。
絵本選びは難しいから「あ〜、もういいっ!」と思って、絵本を読む前に絵本を読む気持ちをなくしてしまう経験ありませんか?

もちろん絵本選びは大事ですが、私の考えではもっと大事なのは絵本の時間の【KSB】です。

【KSB】って?
そう思った方が大半だと思います。

ここでは、絵本が子どもたちの記憶に残る『宝物』になるように、絵本の時間の【KSB】についてお話しします。

【KSB】とは、Kは「気持ち」、Sは「スキンシップ」、Bは「バランス」のことです。

まず大事なのは、『気持ちのK』。

絵本を読む時、心を真っ白にして、新しい気持ちで読むのが大事です。
たとえ子どもが同じ絵本を何回も何回も持って来て「もう一回読んで!」と言ったとしても、出来るだけまたゼロのところから読み始めてあげて下さいください。

大人は「なんでまたこれなの?」や、「違うのにしましょうよ」などと思うかもしれませんが、子どもはその絵本が大好きなのです。子どもに聞いても、なぜその本が好きなのか?理由は答えないかも知れないし、聞く必要もないと思います。
子どもはその絵本が好きだから手に取って、読み手の所に持って来ています。手に取るのはとても大事なことだと思います。
この頃から子どもには、自分の意見や好みが出て来ます。長い間シンプルな絵本しか手に取らなかったのが、もっと内容が複雑な絵本を持ってきたり、もうちょっと長い絵本を手に取るようになったりと。
その行動は、子どもにとって大きな成長のステップのひとつなのです。

子どもの成長はそれぞれなので、その子どもによって本を読み進むスピードは違います。無理やり子どもを大人の読むスピードに合わせさせる必要はありません。
逆に大人が子どもの読むスピードに合わせた方が良いと思います。

「マイペース」はあまり良いイメージではないかもしれませんが、子どもにとっては大事なことだと思います。

次にとても大事な、『スキンシップのS』。

スキンシップはとても大事です。
毎日ハグをしたり、抱っこしたり、オムツを変えたり、一緒にお風呂に入ったり、一緒に過ごし体を触れ合う時間、スキンシップは大切なコミュニケーションです。

特にまだおしゃべりができない赤ちゃんは、コミュニケーションをとるのが難しいと思っている方がたくさんいます。私の考えでは、絵本の時間もスキンシップをとる時間です。
読み聞かせは、一人の読み手が子どもの前にいて、片手で絵本を持ちながら読む、そんなイメージが強いと思います。例えば、それは図書館、学校、読み聞かせのイベントなどです。
家での読み聞かせは、子どもをひざの上に座らせたり、隣に座ったり、布団の中などで行うのが一番良いと思います。本の持ち方や、声の出し方は特に気にしなくて良いと思います。

心を込めて、生の声で読めばそれで十分です。たくさんのインプットが大切だと思います。
言葉でも、愛情でも。

最後に、『バランスのB』。

絵本の時間ではバランスも大事です。
絵本講師の勉強の中では「主食絵本」と「おやつ絵本」という絵本のわけ方をしています。

主食は体の成長に大事です。同じように「主食絵本」は心、想像力、絆を育てますが、こればっかりだとちょっと重い感じがします。

そんな時は「おやつ絵本」。おやつは美味しいし、気分転換になりますがあんまりお腹に残りません。
「おやつ絵本」の代表的な”しかけ絵本”は、あまり読み聞かせに良くないと言う方がたくさんいます。ですが、私の考えでは、子どもでも大人でもしかけ絵本でも、絵本を好きになるきっかけになるのでしたら、それでも良いと思います。

「おやつ絵本」がダメだとか、「主食絵本」が良いとかではなく、バランスを取って両方読むのが一番良いです。
例えば、寝る前に1冊の「主食絵本」を読み終えましたら、もう1冊は「おやつ絵本」を読むことを私はおススメします。
おやつ絵本は同じようにすごく笑ったり、反応が大きいですが、心に残るかどうか?それはまた別の話です。

皆さんの生活、子育て、考え方はそれぞれ違います。
これが良い、これがダメというのはとても難しいです。ですが、私の考えでは毎日、たった3、4分間で親子の絆をもっと深めることが出来るのは、絵本だけだと思います。

子どもは、親から絵本を読んでもらった記憶が消えることはないと思います。その記憶は子どもの一生の宝物にるでしょう。

絵本を通して、親子の時間を大切にしてください。

 

ジェリー・マーティン

プロフィール
アメリカ、カリフォルニア州出身。
大学で日本語と日本文学を学ぶ。
13年の子ども英語講師の経験。
NPO法人「絵本で子育て」センター認定講師。全国で「バイリンガルおはなしかい」絵本講座を開催。
「えいごのじかん2」、「えいごのじかん3」(鈴木出版)のバイリンガル絵本シリーズの英訳担当。
小澤俊夫のむかし話大学を卒業。
「セサミストリート」絵本(イマジネーション・プラス)シリーズの日本語訳担当
「セサミストリート」絵本シリーズの日本語訳担当

 

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