《連載コラム》きょうだいはおもしろい

イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

今年の冬は寒い日が少なかった地域も多いのでは。
私の住んでいるところでも、凍えるような寒さの日は少なかったと記憶しています。そのせいか近頃は、すでに春のような陽気の日もちらほらあり、近所の梅の木には花がたくさん咲いています。

赤ん坊がとことこ歩き出しました。天気のよい日にはいよいよ公園でも遊べるようになりました。
「お出かけしようか。」と言うと、「くっく」と言って、歩きたがります。靴を履かせると、嬉しそうによちよちぎこちない足取りで歩いています。

近所へ行くにも赤ん坊のあんよに付き合って、30分もかかることがあります。歩く速度はもちろん遅いのですが、途中で葉っぱを拾ったり、来た道を戻ったり、猫を追いかけたりするからです。

赤ん坊は午前中はめいっぱい動きまわり、おひるごはんを食べたらこてっと2時間半くらいお昼寝をします。私は今のところ、この午後のお昼寝の時間を仕事の時間にあてています。そんな風なので、午前中は赤ん坊の気ままな散歩に付き合ったり、公園で遊んだりしながら一緒に楽しんでいます。

まねっこ大好き

赤ん坊はまねっこばかりしています。からすや犬、猫の鳴きまね、家族の会話のまね、長女の宿題のまね等々。

長女の宿題で計算カードというのがあります。計算カードは手のひらサイズの紙の表に計算式が書いてあり、裏に答えが書いてあるものが束になっているものです。
長女が毎日、「8、6、5・・・」などと答えを唱えながら計算カードをめくる姿を見ていたせいか、赤ん坊ももう使わなくなった計算カードをめくっては、神妙な顔で「はち、はち、はち、だ、だ、だ、、、、」と言っています。「はち」が言いやすいようで、今では計算カードそのもののことを「はち」と呼んでいます。

子どもから教わること

先日、食べ残った鮭をラップで包んで食卓に置いていたら、ほんの一瞬のすきに赤ん坊が手にとって、無残にも床にばらまかれていました。

私は、とっさに「めっ!」と言って、赤ん坊を叱りました。するとすぐに下唇をむっと出して、目はうるうる涙目になりました。あ。言い過ぎたかな、と思いつつ、もうこんなにも感情が育っているのかと感心してしまいました。そして、叱られて泣くのだろうかと試してみたいような気持ちになって、もう一度「めっ!」と言ったところ、なんと長女が泣き出したのです。「そんなに叱らなくたっていいじゃん。泣きそうだよ。かわいそうだよ。」と言いながら涙をこぼして泣いていたのでした。

私はびっくりしてしまいましたが、そうだよな、別にそんなに叱る必要のないことだったのに、わざと、泣くかな?なんてしつこく叱って悪かったなぁと反省しました。

きょうだいをかばう長女の純粋な優しさに、教えてもらったできごとでした。

後になって、「お母さんて怒るとそんなに怖い??」と長女に聞いてみたところ、「(赤ん坊が)かわいそうだったんだよ。まあ、怒ったらめちゃくちゃ怖いけどね!」と笑っていました。

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きょうだいのおもしろさ

赤ん坊が1歳を過ぎ、歩き始め、言葉を理解し始めました。感情も複雑になってきて、心の成長が著しい時期になりました。長女とは6歳も離れていますが、きょうだい一緒に遊んだり、笑いあったりすることが多くなってきました。

きょうだいが生まれたら、こんな風になるのかな、と夫婦で想像していたことがいくつかは現実になっていて、不思議な感じがします。そういえば、長女が生まれる前も子どもが生まれたら・・・とあれこれ想像する日々でした。そして、大抵は想像を大きく超えて、思いもよらないことの連続です。

これからもいろんなことが起こるのだろうな、と楽しみつつ、いろんな覚悟をしつつ、毎日子育てを楽しんでいきたいです。

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