《連載コラム》違いを責めないで~穏やかな夫婦関係を保つコツ!その1 共感~

こんにちは!

親子の時間研究所の研究員『傾聴(けいちょう)』をお伝えしている村尾リエです。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

連載をお読みいただいたあなたは、『傾聴』の印象をどのように感じましたか?
「人の話を一生懸命聴くんでしょ」という感じでしょうか。
もちろんそうです。その通りです。

一生懸命聴くということに間違いはないのですが、この聴き方にポイントがあるのです。

私が『傾聴』を学び練習していく中で、少しずつ腑に落ちていく感覚がありました。
私の体験をベースに、穏やかな夫婦関係を保つために今も続けていることを、ご紹介させていただきますね。

 

夫婦でも違っていることが当たり前なんです。

大切なポイント「違いを責めない」ことです。

人は夫婦であっても感じ方、考え方は違います。
「そんなことわかってる!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、私はこれが夫婦の間で欠けていた部分でした。

夫婦なんだから、同じ考えでいなければいけない。
同じ考えでいたい、同じ考えでいてほしい…と考えていました。
特にこの思いが出てしまうのが、子どものことに関してでした。
息子本人の気持ちは後回しにして…

 

息子が中学3年生の時にこんなことがありました。
中学校最後の運動会直前のことでした。
サッカーの部活中に腕を骨折してしまったのです。
目の前に迫った運動会。毎日練習もしています。
お医者さんには「運動会当日までに腕は治らないです」と言われてしまいました。

その様な状況の時でした。

私:「腕の骨折だから走れるし大丈夫でしょ?最後なんだし出たいなら出た方がいいよ」と息子に言ったら

夫:「骨折してるんだから、みんなに迷惑がかかる。ちゃんと出来ないのに出ない方がいい。こんな状態で出るなら俺は見に行かないから!」と。

息子は両方の意見に挟まれ、どうしたらいいのか困惑。
息子も夫がすぐに怒るのはわかっているので、本当は出たくても言えなかったのか真意はわかりませんが、結局は運動会には出来る範囲で出ていました。

夫婦間で相反する意見になった私は、
「何言ってんの?最後の運動会なのに、中学校の運動会はもう一生ないんだよ!」
「みんなに迷惑かかるかも知れないけど、そんなことはみんなわかってくれるよ!」
「最後なのに見に行かないとか信じられない!」
と心の中で不満を溜めこんでいました。

夫婦でもそれぞれに考え方があり、違っているのが当たり前。
全く同じ意見になるなんてことはないんですよね。
なのに一方的に心の中で、「あなたが間違ってる」と夫を責めていました。

責めるというのは、声に出して責めるということだけでなく、「あなたが間違っているよね」と心の中で思っていることも責めていることだと、今の私は思います。

思っていることは、言葉の端々や態度に出てしまうものなのです。

 

共感の使い方

『傾聴』を学んだ今の私なら、どのようにするかと考えてみました。

「そうなんだね、あなたは運動会には出ない方がいいと思うんだね」

と一度夫の気持ちを受け止めます。そして、夫の気持ちを認めた上で

「私は最後の運動会だから、息子が出たいなら出たらいいと思うんだけど」

と自分の思いにフタをせずに、誠実に伝えます。

 

この以前の私と今の私の反応の違い、気付いていただけますか?

夫への不満を溜め込み、夫を責めていた私が、

夫の思いに共感し、自分の思いも伝えられるようになっています。

 

『傾聴』の基本的態度に《受容・共感・一致》というものがあります。
上記の考えは《共感》の部分になります。

ここで使う《共感》は、一般的に使われる
「あなたの話に共感します」
のように、あなたと同じように思いますと賛成するのとは少し違うんですね。

ここに出てくる《共感》は
「あなたはそう思うのですね」
と相手の思いをわかろうとすることなのです。

いったん相手の思いを受け止めて認めた上で、
「あなたは〇〇だと思うのね。私は△△だと思うんだよね。」
というように使ってみてください。

そして、ひとつ注意点!
「あなたは〇〇だと思うのね。でも、私は△△だと思うんだよね。」
のように、相手の思いを受け止めたあとに【でも】という言葉は入れないでくださいね。
この、【でも】という言葉を入れただけで、相手は否定された感覚になってしまいます。

 

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認めて、伝えて

この《共感》が私には欠けていた部分でした。

夫に対し「私は正しい、あなたは間違っている」と思っていましたので。

夫婦であってもそれぞれの意見に違いがあるのは当たり前。
お互いの考えをまずは認める。そして自分の意見を自分の思いにフタをしないで、誠実に相手に伝える。

 

相手を認めた上で自分の思いを伝えるのと、認めないであなたはおかしいと相手を責めるのと。

あなたは、どちらのあなたでいたいですか?
あなたが自分を好きでいられる選択をしてみてくださいね。

これが穏やかな夫婦関係を保つために、私が実践していることのひとつめです。

 

他にも4つ、私が学んだ『傾聴』をベースに実践していることがありますので、それをまた次回にもお届けいたしますね。

あなたがあなたでいられますように。

 

プロフィール

傾聴講師・カラーセラピスト

彩-irodori-  村尾リエ

傾聴(聴き方)をお伝えする講師、カラーセラピスト養成講座の開講などで活動。

傾聴(聴き方)の講演・研修や、夫婦間の聴き方に焦点をあてた講演も開催。

傾聴やカラーセラピーを主体とした個人カウンセリングも「ちゃんと聴いてもらえて楽になる!」と人気。

オフィシャルHP 彩-irodori-

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